まもなく最終日・ブロードウェイの本屋さん
ニューヨークの舞台関係者が
愛してきた本屋さん、
The Drama Bookshopが
20日で最後の日を迎える。
40th Street の7th と 8th Avenueの間。
まさにブロードウェイ界隈にある
舞台に特化した本屋さん。
戯曲、楽譜、舞台に関係するあらゆる本が
置かれていた。
100年を超える歴史の中で、
キャサリーン・ヘップバーンや
マレーネ・デートリッヒがお店で
本を探したり、
大大大ヒットミュージカル「ハミルトン」を生み出し、
「モアナと伝説の海」の歌を書いた
リン=マニュエル・ミランダが駆け出しの頃に
ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」を
お店の地下で書きあげたり、という
レジェンド的なお店である。
2011年にはトニー賞も受賞。
舞台関係に特化しているだけあって、
学生や俳優、脚本家などが
インスピレーションをもらいにきたり、
それを聞いて
私みたいな単なる舞台ファンも
本を買い求めにきたりした。
何回か移転して
2001年に今の場所に移ってきたという。
なぜお店を閉めるのかー
家賃が上がってしまったから。
さすが、マンハッタンのど真ん中、
月2万ドル近くでなんとかやってきたが、
それがさらに上がるとなり、
同じ場所での営業ができなくなってしまった。
この一報が入ってきたのが去年の秋。
Rent Hike Hits Beloved Drama Book Shop - The New York Times
舞台関係者のコミュニティーでは
ちょっと騒ぎになっていたようだ。
どうなるかと思っていたら、この1月に
入ってきたのがこのニュース。
Lin-Manuel Miranda and Friends Purchase Drama Book Shop - The New York Times
リン=マニュエル・ミランダら劇場関係者たちが
この本屋さんを買い取った。
記事によると前オーナーさんは
84歳にもなって
次また場所を探すというエネルギーがなかった、
とのこと。
ニューヨークの賃料はどんどん上がりつづけてて
こういうところは本当、容赦ない。
が、なんとか解決されるのも
ニューヨークっぽい。
まだどこになるかはわからないが、
秋にリオープンするという。
でもせっかくだから今の場所にあるうちに
もう一度行きたい、と
ベビーを夫に託し、
わたくし、行ってまいりました😆
もうほとんどの本棚は空になっていて
Memories of The Drama Bookshop
という紙を来店者が自由に書けるようになっていて
それが飾られていた。
お店に来ている方は
「泣きそうだ」と言いながら思い出に浸ったり、
友人同士で語り合ったり。
レジの店員さんは
「自分も最後に何の本を買おうかまだ迷ってる」
とお客さんと話したり。
ブロードウェイという
巨大なお金の動くビジネスの世界の片隅に
小さいけど偉大な本屋さんがあって
そこには情熱を持ってこの街にやってきた
人たちが集ってきた。
ネットで本を探したり買ったりすることも
できると思うけど、
やっぱり
「場」があることって
本当に大事だなと思う。
新しくオープンしても
あんまり綺麗すぎない
ごっちゃりした感じのお店だといいのにな〜
と思ってしまった。